今回はいつもと趣向を変えて、最近の写真から先に紹介しましょう。その方が、インパクトが強いと思いますので(^^;)。
渋谷駅西口(ハチ公改札)を出ると、駅前のスクランブル交差点に面した向い側、センター街の入口角の所に、巨大なスクリーンをあしらったビルが建てられています。「Q-FRONT」と名付けられたこのビルは1999年12月に竣工し、通りを挟んで建てられている109-②と共に、渋谷駅前を特徴付ける景観を形作っています。
縦23.5m・横19mの大型LEDビジョンは、ビル全体を「不在建築」の概念でデザインした結果生み出されたもの…ということで、この街を行き交う人々に強烈なインパクトを与え続けています。
…ところで、これだけ「鮮烈」な印象の建物が出来た現在、かつてココにどんな建物があったか記憶されている方は、どの位おられるでしょうか…?
…ということで、先日実家の古いフィルムを探していたところ、こんなショットが出て来ました。上の写真のちょうど10年前、同じアングルで撮影していた写真です。正直なところ、僕自身もこんなシーンを撮影していたことをすっかり忘れていました(^^ヾ)。
現在の「Q-FRONT」の場所には「峰岸ビル」が建てられており、東宝系のロードショー館だった渋谷宝塚劇場や、東海銀行・辻クッキングなどが入っていました。改めてこの写真を見ると、意外と派手なネオンに彩られたビルだったことが判りますが、解体された後に通りかかった際にはここに何があったのか全く思い出せなかったのですから(もちろん、僕自身が「おのぼりさん」でもありましたし…)、インパクトの薄い存在であったことは確かなのでしょう。とはいえ、Q-FRONTには渋谷宝塚の流れを引く“CINE
FRONT”が入居していますし、それなりにDNAは引き継がれているということなのでしょうか。
ちなみに当時、HMVは現在の場所でなく、現在の文化村通りを上ったONE-OH-NINEビルに入居していました。この店はHMVの日本進出第1号店として、1990年に開店しています。
そういえば、「Q-FRONT」の施主となったのは東急百貨店の不動産管理会社であった「札幌プラザ」でした。空き地となっていた頃、管理地の看板にこの社名を見て、何だか不思議な感じがしたことを覚えています。
「札幌プラザ」はもともと、東急百貨店札幌店のビルオーナーとして稼動していた会社ということですが、東急百貨店の経営合理化の一環として2003年1月に東急百貨店本体に合併されました。しかし、Q-FRONTのサイト等を見ると現在でも、この社名が残されているページがあります。