高架化前の旧札幌駅では、改札口と各ホームに回転幕式の発車案内表示器が取り付けられていました。
行先･列車名･発車時刻を表示した幕がクルクルと回転しながら現れるさまは、今でも目に浮かんで来ます。
旭川･函館･釧路・稚内…といった遠方の駅の表示には、独特の旅情を感じることが出来るのでした。
ダイヤ改正ごとに、この表示幕は新しい幕に取り替えられていましたが、1988年3月のダイヤ改正前に札幌駅のホームにいた際、偶然にこの取替作業を目撃しました。
(ちょうどこの時は、某誌の取材スタッフのお手伝いとして駅構内に陣取り、改正前後の列車編成メモを作成していました)
朝から晩まで、そのホームの発着列車が一本に並べられていたのですから、こうして見ると結構な長さですよね。この幕が各ホームごとに異なる内容で作られていたのですから、作る手間も大変だったのではないでしょうか?
この年の11月3日に札幌駅は高架新駅へ移転したため、このような表示幕の取替作業も過去のものとなりました。
あれから15年が経過し、旧駅施設も駅ビル･ホーム･地下道など全て撤去され、「JRタワー」に生まれ変わりました。この写真を撮影した辺りは現在、札幌ステラプレイスの“センター”と“イースト”の間のコンコースとして、多くの人々が行き交っています。