どこかへ出かけるには決まって｢急行｣だった少年時代の僕にとって､｢特急｣列車はいつもあこがれの的でした｡
駅で見かける度に､いつか乗ってみたいなぁ…と、胸をワクワクさせていたものです。
1961年の特急｢おおぞら｣運行開始以来､長年に亘り北海道内の特急列車の主力となっていたのがキハ80系でした｡
1961〜1967年まで継続的に新製投入された他､1974年までに他地区からの転入車も含め160両あまりが配置され､函館運転所(函ハコ)･札幌運転区(札サウ)を基地として､最長で13両編成を組成し､全道を走り回っていました。
1975年に初めて乗車して以来､たびたび利用することになるのですが､乗るといつも食堂車に足を運び､流れる景色を眺めながら食事をするのが楽しみになりました。
また、正面デザインの美しさも印象に残る車両で､現在でも通用するスタイルだと確信しています。
その後､キハ183系の増備と共に北海道内のキハ80系は順次置き換えとなり､1986年に定期列車の運用から引退。JR化後も残っていた臨時列車用車両も､1992年に廃車となりました。
また､キハ80系を種車としたリゾートトレインへの改造車も、現在使用されているのは旧｢トマムサホロエクスプレス｣用の3両だけとなっています。