街中のトロッコ電車
かつて、釧路の街からやや東へ行った所に､炭鉱の坑口から選炭工場まで石炭を運ぶトロッコ電車が運行されていました。
背高ノッポの小さな電気機関車が､石炭を満載したトロッコ12両を引っ張って､街中にモーターの音を響かせながら往復していました｡
高校2年生だった1980年の夏に釧路を訪れた時､このトロッコを初めて見ました｡以来､その魅力に魅せられ､何度となく足を運んだのです。
小さな機関車がパンタグラフを伸び縮みさせながら､住宅街の中を走っていく姿は、どことなくユーモラスで、また健気なものでした。
この写真を写した翌年､架線電圧の昇圧とともに新型の電気機関車が投入され､彼らは使命を終えました｡
そして坑口からのベルトコンベアが完成し､1989年にこの軌道は廃止されたのです｡
時は移って､1999年の夏｡
思いがけず釧路への転勤が決まり､かつて彼らが走っていたところの近くに住むこととなりました｡